PROFILE/プロフィール

松村泰徳


 
松 村 泰 徳
一級建築士
1972年 奈良県葛城市生まれ
1995年 大阪電気通信大学 精密工学科 卒業
1995年 鳳工業株式会社(建設・建築設備会社)入社 
同社勤務を経て
2005年 大阪工業技術専門学校 建築U部コース卒業
2006年 株式会社 松村孝建築・都市設計事務所入所
同所勤務を経て
2008年 松村泰徳建築事務所 設立
2016年 松村泰徳建築設計事務所 改名
現在に至る
公益社団法人 日本建築家協会会員
一般社団法人 奈良県建築士会会員
受賞歴
2016年 奈良県景観デザイン賞 リノベーション賞

CONCEPT/コンセプト

建築と街並みとの関係について

街並み(広くは町並み)は、個々の建築物や道路、そして緑地などにより形作られていますが、その一つひとつが如何に均整よく丁寧に(高価なものという意味ではなく)つくり込まれているかで、本質的な豊かさを感じるか否かを決定づけると、私は考えています。
しかしながら、建築物などは不特定多数の建て主とつくり手らが、様々な思惑をもって築き上げていくわけで様式の模倣が一般化している現在の日本において、無味無感であったり少々乱暴なつくりで、年月を経ても周辺環境に対し異物感がぬぐえない建築物の出現も少なくはなく、風情が薄れてきていると日々感じるのです。
一方で、古来の様式建築も非常に趣深いですが、小気味良かったり、住宅であれば適度な生活感があったり、見事に住み手を表現した住まい、新鮮さや潤いを感じさせてくれる建築物は、時を重ねるごとに街(町)並みに溶け込んでゆきます。私は、そんな風景になりうる建築をつくりたいと考えています。
“造形から造景へ” これが個から社会への理想的なリリースではないかと思うのです。

設計プロセスについて

まず、建て主との出会いから設計は始まります。要望はもちろん、生活スタイルやお人柄など様々な要素を手掛りに計画を進めていき、打合せのプロセスにおいても建て主の意識の変化を感じとり軌道修正するよう心がけています。

挿絵1

基本設計においては、平面と断面のスタディに十分な時間を費やすことにしています。当然のことながら人は階段というツールを使わない限り平面的にしか移動ができないので、動線を考える上でこれらのスタディは重要なファクターとなるのです。
それと同時に開口のあり方を考えていきます。内部をいかに外部とつなぐかによって内部環境の良し悪しは決まり、自ずと外観のプロポーションに及んでいき、庭との関係性もイメージしていきます。なにより構想段階で地域性、敷地や外部周辺情報を考慮することは、必須だと考えています。

挿絵2

それらのスタディがイメージと整合しているかを、スケッチで確認することにしています。また、設計プロセスにおいて建主との意見交換や伝達作業は欠かせないわけですが、これらのスケッチをコミュニケーションツールとすることで、図面では表現しきれない雰囲気を建主に理解してもらうことができ、設計意図を共有することができると考えています。

挿絵3

意匠設計について

建築様式の便利な表現として、和風・洋風たるものがありますが、私の場合どちら派かといえば、どちらでもないと考えています。世間一般で和風というと、和室に床の間、畳・障子・襖・和瓦・漆喰など様式や材料に注目してしまいがちですが、(ここでは洋風は割愛しますが)私の場合は前者よりも“日本らしさ”とは何か?ということに関心を抱いています。
日本(人)そのものを指す“和”という言葉がありますが、やわらぐ・なごやか・あわせる(調和する)といった様々な意味を持ち合わせていることはたいへん興味深く、日本の歴史や日本人の感受性を如実に表現していると思うのです。この“和”の多様性こそ“日本らしさ”なのではないかと考えています。前述を根底に、設計を進めていきます。